HSCやさしさセンサー【スミレ②】

新潟市でこの春小4になった娘とホームスクーリングを実践中のスミレです。

過去記事にも書きましたが、娘が学校へ行かない選択をする過程で1冊の本と出会い、ホームスクリーングを始める決意が固まりました。

その本のタイトルは、

「HSC  ひといちばい敏感な子」
(1万年堂出版   エレイン・N・アーロン著  明橋大二訳)

娘が生まれて以来、経験したことばかりが書かれていて驚いたのと同時に、「学校生活が苦しい」と訴える娘の気持ちに寄り添うきっかけにもなりました。

先日、この本を翻訳した明橋大二先生(真生会富山病院 診療内科医)の講演会に行ってきました。

そこでお聞きした、
「傷つきやすさ・生きづらさを抱えるHSCの自己肯定感を育てる方法」
の内容を、こちらで数回にわたりご紹介していきたいと思います。

【HSCとは?】

・アメリカの心理学者 エレイン・N・アーロン氏が人の気質のひとつとして敏感さを取り出し、「ひといちばい敏感な人 =Highly Sensitive Person 」と名付け研究を開始。

・1996年にアーロン氏の著書「ひといちばい敏感な人」が発表されると全米でベストセラーになり、世界中で翻訳され、この気質の存在が広まった。(日本でこの本が最初に翻訳出版されたのは2000年12月)

・HSPの研究過程において、HSPの人たちは子ども時代からすでに敏感で生きづらさを抱えながら大人になったということに気づいたアーロン氏。
そこからHSCについての研究も進んでいった。

・2002年には著書「ひといちばい敏感な子 Highly Sensitive Child」がアメリカで出版され、2015年には日本でも翻訳出版される。
(翻訳者は 子育てハッピーアドバイスシリーズの著者である明橋大二先生)

【HSCの特徴】

①感覚的に敏感
・聴覚…小さな音でも聞き分ける。ガヤガヤした場所が苦手。
・嗅覚…匂いを嗅ぎ分ける力が鋭い。
・味覚…隠し味を当てることができる。
・触覚…洋服のタグなどチクチクしたものが苦手。

②他人の気持ちに敏感
・人の気持ちを察知する。
・人が苦しんでいることを自分のことのように体験する。
・相手がどうすれば心地よくなるか、すぐにわかる。
・人に優しく平和主義。暴力的な言葉がけやケンカか苦手。

学校生活においては、先生が他の子を叱ると怖くて教室に入れない、人のケンカにも心を痛めてしまう、暴力的な言葉は自分に向けて発せられたものでなくとも言われた人の苦しみがわかってしまうため自分もその場にいるのがツラくなってしまう…というようなことが起こっていることが多い。

③環境やモラルに敏感
・新しい環境に慣れるのに非常に時間がかかる。
(新入学、新クラス、新担任など非HSCとは比べものにならないほどの時間がかかる)
・多くの人がいる場所は刺激を受けすぎて疲れてしまう。
・ビックリさせられたり驚かされることは超苦手。
・正義感が強い。

【HSCについて知ってほしいこと】
・HSCは持って生まれた気質であり、病気や障害、育て方が原因ではない。
・割り合いは、全体の15〜20パーセント(5人に1人。男女差はない)
・HSC=敏感な子であるが、何に対して敏感なのかは人によってそれぞれ違う。
・大人になっても敏感な気質は変わらない。
・発達障害、ADHDとは異なる。
(脳画像の研究などにより異なると言う専門家もいるし、意見が異なる専門家もいる)
・環境によって作られるものではないが、環境の影響を受けやすい。
・日本の児童精神科医にはまだまだ浸透していない。
・良い環境で育てば、健康に育つ。

次回に続きます。

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