イクミナルの活動指針2020
イクミナルは、主に、不登校のお子さんのいる家庭同士がつながるオンライン交流会を行っており「不登校支援」を行っている団体だと思われているでしょう。
活動を始めた当初は、まだまだ不登校のゴールは学校復帰という意識が強くあり、学校に行かないお子さんを持つ家庭同士のつながり合いが希少でしたが、今は不登校の状態も多様化しつつあります。
その中で、これまで大切にしてきた「自分らしさを取り戻す」という指針を前提としたうえで、これからは「すべての子どもが楽しく学び続けられること」を応援していきたいと考えます。
多くのご家庭との交流により、子どもや家庭の問題がその要因と思われがちな不登校は、実際には、成長の個人差と学校を始めとしたさまざまな環境要因との相互作用で起きていることを確認しました。
コロナ禍で学校に行きにくくなるお子さんが増え、それに伴って子どもの居場所や学びの選択肢も増加していますが、なかなかそれらを活用できていない現状があります。
そのうえでまずは、「自分だけ」「我が子だけ」という孤立感や罪悪感に苦しい段階では、その心情に寄り添い、保護者の方が「今」を受け容れること。
そして、縦割りの仕組みのどこにも当てはまらず、家庭で抱えるさまざまな生活課題や、視覚化されにくい人々の意識や慣習のおよぼず影響など、子どもを取り囲む環境全般に広く目を向けながら、お子さんの心の奥にある意欲や強みを育てていくこと。
これからは、支援の前段階としての信頼関係の持てるつながり構築、そしてエンパワメントをもって、学び環境のコーディネーションの実現を目指して活動を行っていきたいと考えます。
イクミナルが考える「不登校」
活動を始めた2017年は、まだ教育機会確保法が成立したばかりで、まだまだ学校復帰が不登校のゴールだと思われていました。
その中で、学校には行かない、行けない状態であっても、その子らしく生きる方法を模索していた家庭がつながり合い、共に歩んできました。
保護者交流だけでは、解決できない課題をまとめ、それまでタブー視の強かった「不登校」「発達障害」について、専門家とともにセミナー実施により公に取り上げていきました。
その際に講師をつとめてくださった先生のお言葉、不登校はあくまで「学校に行かない状態のこと」、そして、そのゴールは「自分らしさを取り戻すこと」。
この言葉がそのまま私たちの不登校のとらええ方となっています。
今はその一歩先、自分らしさを取り戻したらどうするの?に向かい合い、上記のようなコーディネーションの必要性を感じています。
しかし、一足飛びに学びのコーディネーションに取り組む前に、十分な休息を必要としているお子さんもいます。
また、「学校に行かないこともひとつの選択である」という考え方が浸透しつつありますが、その先は、家庭任せの部分も多く存在し、保護者も生活面、心理面、そして自身の就労に関しても、幅広く変化が生じて大変戸惑っています。
豊富にある情報すら良しあしで、その中から信頼できる情報を取捨選択することにも、多大なエネルギーが注がれています。
学校に毎日通うこと。それは、世の中では当たり前のこととなっていますが、行かないことでその家庭の生活や子どもの人生が特異なものになるわけではありません。
むしろ、そこが強調されるがゆえに、安全や幸せを感じるというもっとずっと当たり前なことすら得られなくなっている子どもがいます。
学校に行けなかったり、勉強しない期間があったとしても、それも人生の一部。私たちはそう考えます。
不登校をすっきり解決したい人は山ほどいますが、そもそも、何を持って解決というのでしょうか。
学校に通うようになったとしても、その子の親としての責任を持つことや、その子が必要なサポートを施すという意味では、登校・不登校に境界はありません。
「解決する」・「解決した」と思われることで、子ども達は、解決できない状態にない自分を責めたり、解決したと思われて本当の気持ちを飲み込んでしまうことがあります。
子ども達がこのような気持ちになって、本当の気持ちを親や周りの人に言えなくなる状況が一番あってはならないことだと思っています。
もちろん親も周りの大人もいつも冷静に子どもや学校とのやり取りを考えられるわけではありません。
周囲の動きが目に入る時は特に、取り残されるような気持ちが生まれて、子どもの動きをもどかしく感じることもあるでしょう。
けれども、あなたは決して一人ではありません。
それを知って欲しくてイクミナルは「遠慮せずに悩む」ための場所を持てるようにと活動を続けてきました。
子育ては続いていくもので、子ども達にはいづれ社会とのつながりを持って欲しい。
けれどもまずは、「今」に納得するために、大人が安心して試行錯誤できる場所や仲間を見つけることも大切だと思っています。
そのような場であり続けられるよう、自己選択のための「時間」や「情報」や「つながり」を豊かに持つ努力と学びを重ねています。
それが、私たちが苦しかった時に一番欲しかったもので、「あなたが一人ではない」こと、あなたも、お子さんも、「生きる力を持っていること」を信じて応援する姿勢であると思っているからです。
一般的な考え方とは少し違うかもしれませんが、このような想いにご賛同くださる皆さまと対話しながら、これからの子ども達の学び環境に何が必要なのかを、共に考えてゆけたら幸いです。
●お子さんの不登校・発達・学習に関することでお悩みの方へ
オンライン交流会
不登校理解セミナー
学びコーディネーション相談
●子育て支援・教育に携わる方(先生や講師)・活動に共感してくださった方へ
不登校理解セミナー
お話会・当事者の声を聴く勉強会・取材・相談
フリースクール・居場所等立ち上げ・活動のon-line化サポート
各種勉強会(企画中)
活動応援・寄付
「イクミナル」の意味
イクミナルは、育てるの「イク」と、ターミナルの「ミナル」を合わせた造語です。
大人も子どもも関係なく、育ち育てあえるような関係性を築きたい。
そして、そこでしっかり充電して、一人ひとりが自分の道へと羽ばたくHUB空港のようでありたいと考えて名付けました。
主な活動
①オンライン交流会
学校生活や学習継続に工夫が必要なお子さんをサポートする大人の交流会です。情報交換や意見交換を行っています。
②不登校・発達障害・コミュニケーションに関する勉強会・講座運営
③ITを活用した共生的ネットワーク推進活動
④当事者の気持ちや願いを伝える活動
⑤各種ご相談・専門家の紹介
これまでの実績
以下のリンク先をご覧ください。
スタッフ紹介
学校の環境が合わないというサインを発した我が子達と共に、オリジナルなライフスタイルを創作してきた保護者数名で運営しています。
子ども達の年齢も正確もまちまちで、住んでいるところもバラバラですが、オンライン上で多様性を活かして活動しています。
3児の母・自由な創作ルーム を運営
自身も中学時代に不登校を経験。3人のお子さん達は地域やオンラインの資源をフレキシブルに活用して学んでいます。子ども対応や学校との付き合い方、心地よい夫婦の在り方について引き出しを多く持つ自律型子育て実践家。アートを通じて自己表現をサポートする活動も行っています。デザインやファシリテーター担当。
*「不登校理解セミナー」「コミュニケーション応援ワークショップ(不登校に特化したペアレント・トレーニング)」修了
1児の母・通信制高校サポート校運営
子どもファーストをブラさずに最新情報を取捨択一するイクミナルのコンセプトキーパー。居場所活動・サポート校運営の他、国籍や障害の境界なく誰もが活躍できる社会を意識したイベントの企画運営や事業サポートにも関わっています。人と人とつなぐスペシャリストです。
*「不登校理解セミナー」「コミュニケーション応援ワークショップ(不登校に特化したペアレント・トレーニング)」修了
2児の父・社会福祉法人理事・早期発達支援士・保育士・放課後児童支援員
11年間学童クラブに勤めたのち、現在は保育園の園長先生をなさりながら、イクミナルの活動を応援してくださるお父さんです。子どもの権利を守ることに情熱を持ち、イクミナルのコンプライアンス遵守を支えてくださっています。
*「不登校理解セミナー」「コミュニケーション応援ワークショップ(不登校に特化したペアレント・トレーニング)」修了
2児の母・精神保健福祉士・自閉症スペクトラム支援士・保育士・准学校心理士・支援教育専門士・EDGE認定学習支援員・J-SHINE英語指導者・
イクミナル代表
20年の講師経験とこの活動を通じて、数多くの親子と関わりながら、発達や学び特性に対応する専門資格を取得しました。現在は、子育てや社会人大学生として苦労した経験等を活かして、英語に特化した学習クリニックを運営しています。各種相談対応可能。北インドの学校支援にも関わっています。
*「不登校理解セミナー」「コミュニケーション応援ワークショップ(不登校に特化したペアレント・トレーニング)」修了
協力者の紹介
星槎大学大学院教育実践研究科 学校心理士
岩澤一美 教授
スクールソーシャルワーカー・元公立小学校教諭・精神保健福祉士
伊倉真紀 様
宮城県仙台市 トト.ライティング(有限会社センス)
扇かおり 様
http://toto-writing.com
(有)小島デザイン事務所
小島利行 様
http://www.kojimadesign.
参考動画
ご感想お問合せなどお気軽にお送りくださいikuminal.info@gmail.com