子どもに関する法律について

少しお堅い話題になります。法律に関することです。知っていると力になることもあるため、まとめておきます。長くなりますので、読める方が読めるところまで読んでくださればOKです。

あそこに何か書いてあった!と記憶しておいて、必要な時に戻ってきてくださるので構いません。

子どもの不登校に関しては、教育面で捉えがちですが、分野で言えば福祉や医療と関係する部分もあります。また、場面でいえば、学校だけではなく親・子ども・家族のそれぞれの生活や就労、そして学びや対人の機会、時間的観点から言えば、現在だけでなく過去や未来ともつながっていて、それ等を包括して、子どもの命が成り立っていることを意識する必要があります。

ここ数年で、新たな法律が施行されたり、改訂されたりしています。これ等を読んでいると、このような言葉が目に入ってきます。

社会の変化を見据えて生きていくために必要な資質や能力/社会において自立的に生きる基礎/環境の整備/子どもの最善の利益/豊かな人生/保護者とともに/連携・協働

これ等を私流にまとめてみるとこのようになります。

・家庭と地域、学校や行政が連携・協働を図り、子ども達が育ちゆくためにより良い環境を創っていきましょう。

・豊かな人生を送るための基礎となる教育を、社会の変化に合わせて行っていきましょう。

こう読み取れますが、社会的な立場や地位、役割の違う人と話す時に、どこかしらズレを感じることがあります。

これは、これら条文で使われている言葉の解釈が違うからではないでしょうか。

豊かさ・社会に必要な力・環境・連携協働。
そして、そのベースとなる自由・人権・尊厳。

今後、協働・連携というならば、その前提として、これ等の言葉の解釈を確認しあっておくことも必要でしょう。当事者(当然子どもを含む)の生の声を丁寧に拾い、結論を急がずに対話するような過程が大切にされてよいのではないでしょうか。

ここは、ものづくりに力を注いだ日本は、置き去りにして来てしまった部分です。だから感情リテラシーにギャップが生じています。強い天然の感性を持った人と、社会適応しどこか自分らしさを社会的地位に委ねた方々とが分かり合えない経験をしている方も少なくないでしょう。この二極に分類するのは極端ですが、あえてこの二極を取り上げてみました。

また、家庭の生活課題への支援も充実されるよう、変化を願う側も自分達の実状や具体的な提案を伝えていくことも必要なのでしょう。ラベリングやスティグマ、正常性バイアスが善意・同情とともに届くために、違和感を見つめにくくもなります。

もやっとしても、同情することは良いことだという気持ちがあるから、「ありがとう」なんて言ってしまう。けれども、法律でも自己決定が尊重される方向に動いています。

ただ、世の中はそのように変化しつつあることを知る機会は少なく、必要以上に悩みを抱え込まないでいることは、案外難しい一歩です。

交流会は、その気づきを得るきっかけとなれることを願って続けています。生じている事象は同じであっても、何かを知っていたり、人的・物的環境が変われば気持ちが楽になることは、確実だからです。

子ども達の幸せを願う保護者が、親である前に一人の人として、安心して過ごせることも、子ども達にとっては大きなメリットとして働くはずです。

*以下、長くなりますが、目を通しておきたい文章です。(一部抜粋)

学問の自由は憲法で保障されているのに、普通教育の機会均等法では、「学校における環境を整える」となっている。この点は何度見ても引っかかります。学校が、子育てのセンター的機能を果たせるならば、それに越したことはないです。そこを強調するならば、学校内の資源充実は欠かせないですね。

また、義務教育期間中は、福祉のサービスが学校にいること前提となっています。そのために、学校に行けない、行かないとなった場合に家庭の負担が増えます。病気や障害に満たないからこそ環境調整が必要なのに、それを行うのは家庭なのでしょうか。学校が、グレーな状態である子どもを包括できないならば、教育の場にもっと福祉的要素を取り入れていくことが必要です。

●新学習指導要領(2019年より改訂内容を順次実施)https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.htmlなぜ改訂するの?学校は、社会と切り離された存在ではなく、社会の中にあります。グローバル化や急速な情報化、技術革新など、社会の変化を見据えて、子供たちがこれから生きていくために必要な資質や能力について見直しを行っています。

●教育機会確保法(2016年成立・2017年施行)義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(概要)*「学校における環境」??https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380960.htm第三条 教育機会の確保等に関する施策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。一 全ての児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、学校における環境の確保が図られるようにすること。二 不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにすること。三 不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられるよう、学校における環境の整備が図られるようにすること。四 義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を十分に尊重しつつ、その年齢又は国籍その他の置かれている事情にかかわりなく、その能力に応じた教育を受ける機会が確保されるようにするとともに、その者が、その教育を通じて、社会において自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるよう、その教育水準の維持向上が図られるようにすること。五 国、地方公共団体、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体その他の関係者の相互の密接な連携の下に行われるようにすること。

●児童福祉法(2016年6月改定)改訂のポイントhttps://www.pref.ehime.jp/…/yout…/documents/14kaisei.pdf② 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努める(同法第2条第1項)。③ 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う(同法第2条第2項)。④ 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う(同法第2条第3項)。

【参考にしたい法律やガイドライン】

A:日本国憲法(14・23・26条)

B:教育関係:学校教育法・教育基本法・教育指導要領

C:子どもの福祉関係:児童憲章・児童権利条約・児童福祉法・障害者総合支援法(2013年施行)・発達障害者支援法(2016年改訂)・子ども子育て支援法(2019年改訂)役割によっては若干その深度と主軸は変わりますが、教員・保育士・ソーシャルワーカー・行政の教育や福祉の担当者は、これらの法律に即してお仕事をすることになっています。

重複して書いている部分もあったかと思います。この文面は定期的に見直しをする必要がありそうです。

また、問題提起ばかりではなく、具体的に何があったら良いのかをあげていくことも大切にしていきたいため、研究マインドを大切にしてまいります。

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