イクミナルの学び環境コーディネーション®とは(1)
今回はイクミナルが長年活動の軸としている学び環境を「コーディネートする」という概念について改めて説明していこうと思います。
不登校状態であったり、一般的な学校が苦手なお子さんやその保護者の方々と交流を続けてきている中で、必要だと思うことを考えてみたら、
学び環境コーディネーション®︎
という言葉になりました。
ここで言う「学び」は、学校の授業で学ぶ勉強だけではなく、学びをさまざまな体験や頭で思考を巡らせることなども含めた広い意味で捉えるということです。
次に「環境」について。
こちらは、起きていることの理由を子どもや保護者、先生や学校など、誰かやどこかだけのせいにせず、広く環境に目を向けて考えるということです。
最後に「コーディネーション」について。
これは、不登校になってから支援するのではなく、その前から調整する気持ちで関わるということです。
上に書いたことは、どれも当たり前のことのようではあるのですが、不登校の子ども達に対して以下のようなことが起こりがちです。
・授業やテストを受けないと評価されない(成績がつかない/内申点がない)
・子どもが怠けてる、親が悪い、先生が悪いなどと理由を特定する
・支援という言葉を無造作に使う
ただし、ここではこれらの良し悪しを問いたいわけではなく、無意識にしがちなことを一旦立ち止まって見つめてみてはどうだろうかという提案です。
決まったパターンの対応やとらえ方、修正するためとも取れる支援という言葉の多用。
それらが、学校に行けなくなって自信の落ちている子どもにとっては現状否定のように響き、子どもと距離を縮めにくい一因にもなっていることがあります。
また、大人同士もぎくしゃくして協力しにくくなっている場合もあります。
ただ、大人も子どもも困惑している時は客観的に考えにくく、大多数に合わせられないことに目が向きがちなのも当然と思います。
そこで、学びを広義にとらえて、環境にも目を向けて調整するという考え方で子どもに関わる。
関わる人達みながスタンスを切り替えることで、必要以上にネガティブにならずに、必要なことを実行しやすくなるのではと考え、この言葉を掲げてきました。
伝えていることがイメージしにくいと思いますが、簡単にいえば、「一人ひとりを大切にするということ」です。
不登校は誰にでも起こりうると言われ、対応も学校復帰ではなく自律に向けた関わりへと変わりつつあります。不登校の受け止めとそこから向かう方向が示されているので、関わりもそれに応じた形へとシフトしてゆきたいものです。
この後で、例を用いて説明して参ります。
(2)へ続く