「不登校からの高校選択」オンライン勉強会ご報告
学校が苦手なら行かなくてもいいと思っているけれど、高校だけは出ておいて欲しい。
しかし、どこから動いたらよいのかわからない。
今回の勉強会は、そのような方々にとっても、未来に希望の持てる時間となったようです。
高校に行くのが絶対とは思いませんが、学校が苦手な子ども達にとっては、高校進学はひとつのきっかけでもあります。
探すにあたっては、
・どのように選んだらよいのか。
・興味のない子どもにどう声掛けしたらよいのか。
・子どもの特性にどこまで理解が得られるだろうか。
など疑問や不安も生じますが、それは全日制に通うことをイメージしているからかもしれません。
今は、通う日数が選べたり、家に居ながら学ぶこともできる通信制高校という選択肢があります。
そして、そのタイプの学校が増えています。
今回は、スペシャルニーズに特化した通信制高校を創設された日野先生に、『不登校からの高校選択について』お話いただきました。
「不登校からの高校選択について」
講師:明蓬館高等学校校長
兼SNEC(スペシャルニーズ・エデュケーションセンター総合センター長
日野公三先生
まず、日本では、簡単に「発達障害」という言葉が用いられますが、「障害」という表現は時に親子を傷つけます。
特に発達障害というのは、何か機能が損なわれているのではなく、ある部分の発達がゆっくりめであったり、控えめであったりするものですし、子どもというのは、目に見えない部分に計り知れない力を秘めていたりするものです。
海外では、障害のある方のことを、Person with Special Needsと言います。
障害を持つ「人」であって、「障害者」ではありません。
障害もSpecial Needsですし、そもそもニーズは誰もが持っています。
そのニーズを把握し、強みを伸ばす教育に日々取り組まれている先生から、個々の特性に合った教育の重要性について、お聞きすることができ、参加された方々のあとおしになったことと思います。
更に、高校を選ぶポイントや、通信制高校の仕組みについてご説明いただき、通信制のメリットが見えてきました。
安心してチャレンジできる環境こそが大切というお話しでは、言葉かけのヒントも教えていただきました。
質疑応答の時間も、丁寧にお答えくださり、不安や疑問が解消されて納得されるご様子を嬉しく拝見しました。
・学生定期を使える、使えないの違い
・高卒認定と卒業することの違い
・編入、転入のパターンやその時に留意すべきこと
・授業料の捉え方
など。
このように今回、不登校からの高校選択という観点で開催したところ、子どもとの接し方についても気づきの得られる、有意義な時間となりました。
オンラインでの勉強会という慣れない試みでの講演をご快諾くださり、小さな画面の中から溢れんばかりの情報をご提供くださった日野公三先生に、心より御礼申し上げます。
参加くださった方々も、高い関心をお寄せくださり、誠にありがとうございました。
参加された方の声はこちらです。
今回は、全国各地7都道府県に渡る参加者の方がいらっしゃいました。
・具体的に高校について考えたのは今回が初めてでしたが、時間があるうちにしっかりと調べ、息子の進路の選択肢を増やしてあげたいと思いました。
・想像より通信制高校の幅が広くなっていることがよくわかりました。地方なので大変だと思ってましたが、子どもが大きくなったらもっと選択肢が広がっていそうですね。
・本日はありがとうございました。高校進学についてはまだ漠然としていて不安が募っていましたが、日野先生、実際に通信制に通われている方のお話は、とても明るい高校生活を感じさせるものでした。
・通信制高校の特徴を知ることができ、今後の進路選択や進学した後にも役に立つお話がきけて良かったです。
いい言葉がけが大事とのことでしたが、ネガティブワードはよく使っている言葉が多かったので、機会があれば学びたいです。
他にも多数、希望を感じられたお母さん達の声が届いております。
最後に、繰り返しになりますが、高校進学は、不登校の子が生活を切り替えるひとつのきっかけです。
子ども達も、ずっとこのままでいい、と思っているわけではないのですが、選択肢を知りません。
全日制のことを考えて、みんなと同じ道を歩めない自分を責めてしまうのです。
「どうせできない。」と言いそうなお子さんでも、ハードルの低い選択肢を知ることで、「やってみようかな。」という気持ちになることも十分ありえます。
保護者の方でも、さまざまな受け皿を知るだけで、余裕が生まれ、いつもと違う声かけができるのではないでしょうか。
これから、進学に向かうシーズンとなりますが、お子さんを想う親御さんの気持ちがストレートに届き、佳き出会いに恵まれますよう、願っております。
イクミナル:加藤